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2015年10月21日水曜日

閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 3/4


つづきにゅりん。



過酸化水素水で骨の漂白をしている待ち時間に、ぷちバックヤードツアーに出発。



人混みの向こうの扉の向こうは、冷蔵室、そのまた奥の扉の向こうが冷凍室になっており、標本等の駆虫の為やら、もふもふやらつるつるやらが処理待ちスタンバイしています。
冷凍室の温度は、僕らの年代で表現するところの「バナナで釘が打てる」マイナス40度。
ちょっとだけ冷蔵冷凍室に入らせていただきました♪
寒いしくちゃいw
本来冷凍室は匂い物質ごと凍ってるので無臭のはずなんだが、冷蔵室に置いてる物の中に、とても自己主張の激しい何かがいた模様。





一見コンテナボックスが積んであるだけの一角だけど、コンテナの中身は処理中の骨とか骨とか骨。
いやんな表現をすると、水に浸けて腐らせ中。
真面目な表現をすると、水に浸けてバクテリアに骨に付着してる組織や骨の内部の脂分を分解してもらっている所。
特に大きいものや頑固な付着のあるものは、曝気装置付の槽に入れられて、好気性バクテリアちゃんにぶくぶく酸素たっぷり供給ドーピングして、気合いで分解してもらう。
僕らが鶏頭でやってるような薬品は使用していないので、何か月単位で置いていても骨には影響が無く、じっくり浸けて時間のある時に取り出して~が可能。






こんどは「砂場」。
遊ぶための砂場ではなく、埋めたり並べたりして、不要な組織を虫に食べてもらったりバクテリアに分解してもらうための場所。
どどんと置かれているのは、大阪府岬町の海岸に平成27年9月12日に死体が漂着したザトウクジラの骨です。
真ん中のでっかいのが頭(上あご)、その左に見える薄べったそうな骨が肩甲骨、上あごの先にある短い円柱のようなのが頸椎、その右の細長いのが肋骨・・・だったはず。


クジラの骨というのは、あらかた除肉してからこのように置いておくと、ものの数日で白いいかにも骨な姿になってくれるそうです。
とはいえ、複雑な形状の所の組織はなかなか取れないし、それらの分解や骨の内部の脂やらがしっかり落ち切るまでには少なくとも数か月数年かかるそうな。




違うアングルから見ると、砂場の大きさがわかるかな?
上の写真では小さく見えた骨だが、奥の人間と比較すると、頭や肋骨だけでも人間の子供位の大きさがあったりする。


他の画像でもちらほらなにかにょろっちいものが写りこんでたりしてますが、これはツイッターの@LandPlanariaBotアカウントで実況する時などに、「僕が撮った画像で僕が発信している」事などを表したりするのに使っているアカウントのコウガイビルマスコットです。
他にもイベントに合わせていくつかの生き物のマスコットがいるのですが、上画像にいるのはホネホネサミットに合わせて作ったナガスクジラのナガスケ(上の青っぽい方)マッコウクジラのマッコ(下のピンクっぽい方)です。
「本物」のナガスケとマッコも、この砂場で長いお昼寝の後、収蔵され、現在は博物館のポーチにて常設展示されています。
このザトウクジラも組み上げられて展示されるというフライング記事がありましたが、現在組み上げの予定はありません(通常、骨格標本は、細部観察の為と容量の軽減の為に、バラした状態のまま保管されます)
それに、組み立てと吊り下げにはええ車が買えちゃうほどの費用が掛かってですね・・・・。

このザトウクジラに関しては、ツイッター上でのつぶやき等をまとめてくださってる方がいるので、経緯等はこれ↓を読んでみてね。

なにわホネホネ団のクジラ解体日和 http://togetter.com/li/874746




その他にも道中置かれてるあれこれの説明を聞いたりして満喫した後、作業してた部屋へ戻ると、漂白脱脂処理され流水ですすがれた頭骨と再度ご対面です。


ここから何をするかというと・・・・・

また、時間の許す限り肉取りです!
薬品で溶かし漂白もしたのでかなり残っているのは少ない・・・と思いきや、意外と後から後からでてきます。
とはいえ、最後に少し残った程度なら、乾燥してそれらが縮んだ時にかなり分からない程度にはなりますので安心してね。

あと、画像が無いので端折ってた眼球の強膜輪処理の所の資料ぺったん。


強膜輪は一枚板のドーナツではなく、魚のうろこをドーナツ状に並べたような構造をしています。
あまり手荒く扱うとバラバラになります(頭骨をパイプ洗浄剤に浸ける時にこれを入れなかったのは、強膜輪に対して薬が強すぎてバラバラになるからなんです)。



そうそう、僕は子供が大の苦手でしてね。
今回は大人向けかつ大人優先なので子供が居なくて安心のはずだったのですが、珍しく定員割れしたので子供の参加もアリになっていたのですよ。
ぶっちゃけ周りで騒ぎまくられると吐きそうになるんですが、なんせ今回のはモノが細かい&ひたすら肉取りしまくりなので、作業が始まったら速攻みんな静かになりました!
あれです、蟹鍋でみんなが黙々と肉ほじってて会話も無いあの状態です!
これなら子供が苦手でもかなりイケる( ゚Д゚)b
ただし、手羽先骨標本なら余裕ができる分騒がしくなると思われます。
以上、僕と同じ子供が苦手な人への参考までに。




さて、時間一杯お肉ほじほじしたら、乾燥させて完成・・・ですが、濡れて関節やらが柔らかい内に、くちばしの開き具合や舌骨の開き具合などを整えるために、ピン等で固定してやりましょう。


これにてほぼ完成です。
翌日には水分が飛んだ分さらに白く仕上がり、残った組織も縮み、かなり見栄えが良くなります。
ただ、一見乾燥したように見えても芯のほうは湿ったままだったりするので、少なくとも3日は風通しのよい所で乾燥させた方が良いです。
乾燥しきる前にピンを外してしまうと、開いてたはずのくちばしが閉じていったり、舌骨があられもない向きに歪んだりします。




最後に、一番最初の皮むき肉取りの段階で回収した皮と肉を使ったスープをいただきました。
これは希望者のみ参加。
ええ出汁出てました。





おかたしの合間に、お手伝いスタッフとして来てらしたなにわホネホネ団の方が作ったコケコッコさんを拝見。





なんと、剥けますw


中の骨格模型は、最初の説明で出てた巨大鶏頭骨格模型を作ったのと同じお兄さんで、それに合わせた編みぐるみを作ったのが別のお姉さん。
なんなんでしょうね、なにわホネホネ団って器用な一芸持ちしか入れないんじゃないかと疑う多才っぷり。





これで終わると思ったか!?



もう一回続くんじゃよ。





今回の4分割記事の一つ目はコチラ
閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 1/4

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