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2015年10月14日水曜日

閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 2/4

つづき




前記事の最後でお鍋に入ってた鶏頭君です。
加熱された事によりお肉が骨から外れやすくなっているので、ピンセットでひたすらほじほじぐりぐりお肉を毟り取ります。





こんな





感じ。


上あごとか外側も内側もなんか細っこい骨ばっかりですね。




ほじほじ前に注意しておいたほうが良いパーツや、しっかり取っておいた方が良い部位などの説明。





青破線、眼球が入っていた大穴の上側を覆うように軟骨というか筋というかな組織がたっぷり覆っているので、取りましょう。
ただし、一見青破線の部位の続きに見える赤破線の所には、涙骨という、花びらというか種から根が出始めたばかりのような形の骨が入っており、しかもかなり外れやすいパーツなので、赤破線の辺りはこの段階ではあまり触らないようにしたほうが安全です。


緑破線の鼻の孔の組織は、骨と組織の境目にピンセットを差し入れて、ん~と、家庭でプリンやケーキのスポンジを焼いて型から外す時につまようじで境目に隙間を作るときのあの感じでほじほじしていくととれやすいです。
紫破線の耳穴のふちも同じような感じで隙間をほじほじしていくと取れやすいですが、こちらのほうが軟骨組織ががっつりしてるからと力を入れてほじっていると、奥の骨を壊してしまうので、少しずつ様子を見ながらほじほじしましょう。

内っかわとか裏っかわは写真を撮ってなかったので説明無し( ゚Д゚)
まぁあったとしても、とにかくややっこしいので気を付けながら少しづつ毟り取れとしか言えない場所でもあるんだなこれが。




さて、ほじってもほじってもほじほじ毟り毟りしても、なかなかお肉は取り切れません。
という事で、ここでパイプ洗浄剤の出番です!
パイプ洗浄剤といえば、風呂場や洗面台のつまり取に使うアレですね。
パイプ洗浄剤に含まれている詰まりの原因物質を溶かす水酸化ナトリウムの力を借りて、鶏頭に残っているお肉を溶かそうという算段です。
そのままの濃度で使用すると、骨と骨とをつなぐ組織まで溶けたり骨が痛んだりしてしまうので、水で3~4倍に薄めて使用します。


ネットにほじほじした頭骨と舌骨、それと、自分の分とわかるように番号札を入れてポン。
眼球前面部にも骨があるのでソレも~となるでしょうが、眼球にある強膜輪はかなりもろい作りになっており、薬剤で処理するとそれこそ木っ端微塵になるので、ここでは投入いたしませぬの。

あと、ご家庭で作業する場合、メーカーによって濃度の違いで希釈度が云々と気になるかと思いますが、よほど特濃だのなんだの歌ってたり業務用などで無い限り水酸化ナトリウム濃度はどこも0.5~1%程度なので、だいたい3~4倍なノリで問題ないです。





というわけで、パイプ洗浄剤水溶液に浸けてる間に、お昼休憩でございます。





休憩が終わる頃には、薬剤から上げて水洗いされた骨が待ってました。
だいぶはっきりと骨らしくなってきましたが、まだまだ何か一杯半透明な物体(パイプ洗浄剤で処理した際に透明化した肉組織の残り)が付いていますね。
というわけで、またそいつをほじほじしましょう!しまくりましょう!
最初の頃と違って、残り組織が半透明化した分、どれをほじほじ掃除すればいいかわかりやすいですね。


ちなみに、素手で作業しとったのになんで今更手袋を?な理由は、流しきれてなかったり、肉組織に染み込んでる分のパイプ洗浄剤成分で、手が荒れないようにする為です。




茹でてほじほじして、薬剤に浸けて溶かして・・・、それでもなおこれだけ不要な肉が取れました。
ほじらなくていいくらい薬剤に浸ければいいじゃんって思うかもですが、そこまでやったら骨までバラバラになって難易度高い組み立てパズル状態になります。





上の骨見ても、肉はかなり取れてるのになんだか小汚いというか血やらなにやら染み込んでるせいか、「骨らしい白」とは程遠いですよね。
お次はこれを過酸化水素水で漂白して、白い骨になってもらいましょう。
パイプ洗浄剤浸けの時はお留守番させていた眼球の強膜輪も一緒に浸けます。
え~、眼球部の処理方法の写真撮ってないので、後々登場してくる際にあわせて書きます。


この工程で、漂白だけでなく脱脂も出来るので、後々の変色を抑える効果も狙えます。
脱脂ってどういう事?と思う人も多いでしょう。
骨の中には骨髄だの神経だの何だかんだ詰まっていたりで、意外と脂ギッシュな代物なのです。
唐揚げだと油で揚げてるからじゃねぇの?となるので、焼きや煮込み系料理の骨(別に鶏でなくてもOK)が出ることがあったら、肉取って洗って放置してみるとよく分かります。
表面に油粒が浮かんできたり、さらに日数が経つと油や骨髄などの成分で茶色に変色してきます。
え?緑になった?それはカビですなw

では、1時間ほどポッチャン。

容器のフタに4倍希釈と書かれていますが、ここで使われている過酸化水素水は実験用とかのめっちゃ濃い(35%濃度の買うのにハンコが必要とかな劇物扱いな代物)ものを4倍希釈してなお8.75%とかある濃ゆ~い液体です。

ご家庭でやる場合、消毒液として売られているオキシドールを使う事になります。
こちらはだいたい3~4%濃度なので、薄めずそのままで、また時間も様子を見ながら何時間もじっくり浸ける必要があります。
じっとチェックなんかしてられないという場合は、一晩浸けておくのもアリかと(専門家から見たらアウトかもしれないけど、素人目にはオキシドールによる骨の傷みだのなんだのは分からない程度です)。





さて、またここで待ち時間が発生したので休憩タイムです。

今回はこの休憩時間を使って、希望者はホネホネな裏方にご案内~というプチバックヤードツアーをやってくださいました。





またここでいったん区切り。
次はそのプチバックヤードツアーのお話しから。




今回の4分割記事の一つ目はコチラ
閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 1/4

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