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2024年10月2日水曜日

閲覧注意度【高】 ホネホネ団通信21号 私物標本コーナーより 『初めての骨格標本』

 僕がお世話になっとる博物館お手伝いサークル「なにわホネホネ団(http://naniwahone.g2.xrea.com/)」では、「ホネホネ団通信(http://naniwahone.g2.xrea.com/03honetsu.html)」っちうのをたまに発行しておりました。

団員が寄稿するコーナーもあり、僕も過去に3回書いてます。

長らく放置してた当ブログの再投稿練習やらを兼て、その記事を載せていこうと思います。

(自ブログへの流用許可は取ってます)





ホネホネ団通信21号 (20140107発行分)私物標本コーナーより

『初めての骨格標本』 ・冷蔵庫の主・


初めて「本気で骨格標本を作ろう!」と剪刀を握り締めたのがほぼ2年前になります。

それまでにも、逝ってしまったペット達の骨をなんとか取れないものかと、プランターに埋めたり、夏場にベランダにおいてウジの力を借りたりはしたものの、木っ端微塵になった残骸しか手に入れられなくしょんぼりしておりました。

ウジまみれの肉塊を見るのは平気でも、どうしても「我が子」にメスやハサミを入れる勇気が足りなかったのです。

それでもいつかはきちんとした骨を自分の手でと夢みつつ方法を検索したりホネホネ団先輩方のツイッターをこそこそと覗き見、通販で剪刀を購入し、その時がやってきました。


冷凍室で静かに時を待っていたアフリカヤマネ(故)の出番です。


最初の一刃目の葛藤が終わり、腹側の皮に縦一本切り目を通した頃には皮膚はこうなってるんだ~との興味が頭をもたげ、剥いていく内に構造の不思議にとらわれ、剥き終わった時には「ウジ処理にしても皮剥きをしておけばどれだけ後の仕上がりが良くなっていただろう!なんでもっと早く自分で剥く勇気が持てなかったんだろう!」と後悔しました。

後々の処理の事はもちろん、自分で剥く事によってココにこんなにも筋肉が付いているのかといった事が分かるのは勉強になります。

この時剥いた個体は喧嘩等で尾が噛み切られていましたが、後日剥いた尾が完全に残っている別個体は、ヤマネやリスでよく言われる「尾切れ」がヤモリのような骨ごと切り離すモノではなく、皮だけが切れ剥けやすくなっている構造である事を自分の目で確認できたのはとても良い収穫でした。

(参考画像fig01-01およびfig01-02)

fig01-01

fig01-02


その後、ポリデント風呂や水風呂に入れつつちまちまと肉を取り、崩壊の恐怖から早々に乾燥へ移行。

お惣菜の発泡トレイにモール針金を刺して整形という、なんともありあわせの道具丸出しな方法でしたが、なんとかそれっぽいものが完成しました。

(参考画像fig01-03およびfig01-04)

fig01-03

fig01-04


我が子の骨格標本を手に入れたらやってみたかった事があります。

それは、生きてる子との比較!

・・・う~ん・・・。

自分で剥き削ぎしておきながら、生身とホネ姿が結びつかない(汗)。

もっと沢山の種類の骨を見ないと、この特徴が生身ではこうなるという情報が足りないという事ですね。

もっと経験を積まなくちゃ。

(参考画像fig01-05)

fig01-05





なにわホネホネ団について とか

「なにわホネホネ団」とは大阪市立自然史博物館への収蔵物(主に哺乳類鳥類)作成のお手伝いサークルです。

博物館に寄贈されたロードキル個体(交通事故等で死亡したものなどを指す)・駆除個体・亡くなった飼育個体等を、収蔵物として加工するためのお手伝いをしています。

真っ白ピカピカな骨だけをきゃっきゃうふふ言いながら組み立てて交連骨格標本作って博物館に飾って貰ったり私物の持ち込み作業スペースと勘違いしている方が結構多いですが、遺体に付いてるダニを回収したり皮剥いたり骨に付いてる余分な肉取りしたり毛皮の裏の余分な組織取り除いたりと、地味で汚れる作業が多いです。

「ホネホネ団」との名称ですが、骨だけではなく毛皮も外部寄生虫も内臓も標本として扱います。 また、博物館においての骨格標本は通常分離標本という部位の観察がしやすくコンパクトに収まるバラバラ状態の物なので、交連骨格標本として組み上げられる事は稀です。

展示用となると専門業者がきっちりと組み上げます。

個人の私物標本作成が全く出来ないわけでは無いですが、メイン活動が博物館の為のものですし、作業予定の個体が多すぎて希望の日に私物作業スペースを用意してあげれない場合等もあります。

じゃあ何が楽しくてそんな活動してるの?と思う人も居るでしょうが、楽しいと思う事は人それぞれですからとしか言いようが無いですね。

博物館の作業に携われる事が嬉しい・生き物の事が好きで体のつくりなども知りたい・憧れの生き物に触れるチャンスを狙って・デザイン美術勉強の参考にするために、等々。

僕は標本作成の知識を得る事と、あわよくば私物作業させてもらえる場があるのか?と思いひとまず見学を申し込みました。

想像していたよりは血と肉と血と肉そしてやっと骨という感じ。

大勢で沢山扱っているので他の事やらせてもらってる場合じゃなさそうだなと私物の点は早々に諦めましたが、個人ではこんな沢山の中型大型動物の作業をやれる機会も場所も無い、しかも珍しい動物に触れれる事もある、参加している人達とは博物館生き物標本の話が合う、博物館のお役に立てるかもしれないなどなど魅力の方が多い。

せめて記念に入団試験を受けさせてもらえないかな→合格→試験の為に標本素材の用意や指導に当たってくれた団員さんにお手間取らせちゃったし、せめて何回かだけでもお片付け程度でも参加して役に立とう→リハビリにもなるしな!(当時、切腹した病み上がりで外出大変だった)→月1~2程度なら頑張れるかな?→鳥は難しいから諦め→哺乳類の日はほぼ参加で気が付けば11年経過。


今までこのブログ内ではなにわホネホネ団の団員である事を明記していませんでした。

理由は、個人で作業している分へのあれこれを見てホネホネ団の活動と結び付けたり誤解したりされて団に迷惑が掛かる事があると嫌だから。

このブログは過疎ってるからそろそろ言ってもいいかなと。


寄稿記事あと2本あるから、忘れない内に投稿しようと・・・思う・・・多分・・・。






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